【歴史番組一覧　2016/11/05～11/11】歴史ドラマになくてはならない役者、名優平幹二朗を偲ぶ。

名優平幹二朗の足跡

　歴史ドラマ、映画に欠かすことのできない名優、平幹二朗が亡くなった。
　重厚なだけではない狂気すら感じるスケールの大きな芝居。時には主役すら食ってしまうほどの存在感を見せつけた。
　その在りし日を偲んでＮＨＫ総合で特別番組『名優 平幹二朗のすべて』が放送される。
　大河ドラマだけでも出演作がズラリ。1970年放送「樅の木は残った」(原田甲斐役)、1973年放送「国盗り物語」(斎藤道三役)、その後も1992年放送「信長 KING OF ZIPANGU」(加納随天役)、2001年放送「北条時宗」(北条重時役)、2005年放送「義経」(後白河法皇役）、2008年放送「篤姫」(調所広郷役）と印象的な役ばかり。
　個人的には「信長」の加納随天の演技が忘れられない。笑ってしまうくらいのオーバーアクション。だが、その大げさな演技の後ろに、戦国という時代の狂気が見えてくる。見事な役作りだったと思う。
　最近では『精霊の守り人』の帝を補佐する聖導師役が印象的だ。このドラマは、まだ完結しておらず、来年の１月に第2シーズンが放送されるはず。もしかすると、そこで新しい演技を見ることができるのだろうか。それならばうれしい。
　番組は三田佳子ほかをゲストに、大河ドラマを中心にNHKでの出演作、舞台での名シーンを振り返る構成の模様。居住まいをたただして見たい。

その他の番組

　NHK総合『歴史秘話ヒストリア』は『80日間世界一周』の完結編。
　前編の放送前にこの原稿を書いているので、番組の出来に言及することはできないのだが、資料をちょっとのぞくだけでも彼女たちの旅は波瀾万丈だ。
　これで面白くならないはずがない。面白くなかったらNHKの責任、ということで。

　BSプレミアム『英雄たちの選択』は空海と平安京。番組サイトから引用する。

　遣唐使として二年の留学を経て最新の仏教「密教」を日本に持ち帰った空海。しかし空海に課せられた留学期間は二十年。死罪にもあたる契約違反を冒しなぜ帰国を急いだのか。

　八世紀末、即位した桓武天皇は長岡京、平安京へと二度の遷都を余儀なくされた。理由は皇位継承問題やたたり、自然災害に悩まされたからだが、背後に奈良仏教界の専横があった。日本に伝来して以来、鎮護国家の手段として深く政治に関わるようになった仏教。しかし僧・道鏡の皇位さん奪の企てなど歴代政権は仏教勢力に翻弄されていた。対抗できる新たな仏教を欲していた天皇は「密教」を携えて帰国した空海に平安京のまもりを託す。

　この番組にぴったりなテーマである。どんな感じで展開されるか予想できるほどに。

　BSジャパンで放送中の要潤酒宴『人形佐七捕物帖』。キャストが佐七に縁の深い町を回る『時代劇ファンに贈る!! 人形佐七が生きた江戸巡り』が放送される。もろに番宣の聖地巡礼ものだが、ファンなら気楽に楽しめるのではないだろうか。江戸歩きは鉄板である。
　放送されていることは知っていたのだ、新作「人形佐七」を１回も観ていなかった。11月８日放送の第三回を観ることにしよう。

　再放送では、BSプレミアム『プレミアムカフェ』。松尾芭蕉をテーマにした４番組が２日に渡って放送される。バラエティに富んでいて面白そうである。
　9日放送分が、京の王朝文化から生まれた「雅な文化」を破壊した変革者として芭蕉をとらえる『BS歴史館 江戸のスーパー変革者 松尾芭蕉～17文字で日本を変えた男～』（2014年放送）、版画家で映画も撮った故池田満寿夫が芭蕉の代表作を読み解く『おくのほそ道～池田満寿夫みちのく紀行～』（1989年放送）。
　10日放送分が、俳句に造詣の深い英国人ジャーナリストが芭蕉の代表作の舞台を歩く『ニッポン 心の旅 ワタシの「奥の細道」』（1997年放送）、あの道場六三郎が、芭蕉が道中の食事を再現する『道場六三郎の幻のレストラン 松尾芭蕉 美味の旅路』（1997年放送）。
　大手門の9日、搦め手の10日、という構成ですね。

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2016/11/05～11/11 歴史番組一覧