伊坂幸太郎、この作家の作品をこれまで読んでいなかったとは不覚である。
唯一、「重力ピエロ」だけは刊行時に読んでいて、これはよい、と思った記憶はあるのに、なぜかその後手にとっていなかった。
今回、再会した理由は、本棚を整理していたら「死神の精度」の文庫版が出てきたこと。
映画のスチールを使った帯がついているので、映画化の際に読んでみようと思ったのだろう。
手にとって、ふと読み出したら(掃除中にはよくあること)、もう止まらなくなった。
これはよい。文章もよい。キャラもよい。
それに、みな「死」を扱う物語なのに、悲壮感より透明感というか、爽快感を感じるのはなぜか。
特に「旅路を死神」「老女対死神」がよい。「老女」にラストなど映像が目の前に浮かんできて、今思い出しても鳥肌がたつ。
その後はそのまま、もう連続読みである。
とりあえず、これまで読んだ本を上げておく。
どれも面白くて困る。
まだまだ続きそうなので、評価は一通り落ち着いてから。
はずれがない。よいよい。
今、読んでいるのはこれ。「ゴールデンスランバー」
未読本の山。まだまだ楽しめる。
先日、朝井リョウの「死にがいを求めて生きている」を読んだばかりなので(心に痛い傑作!)、次は同じ「螺旋プロジェクト」の「シーソーモンスター」を読んでみようか。ハードカバーだけど。