【歴史番組一覧　2016/6/25～7/1】家康の江戸大改造計画に迫る

家康はなぜ江戸を選んだのか

　豊臣家を滅ぼし、300年に渡る徳川幕府を作って戦国の世を終わりに導いた男、家康。
　だが、彼の偉業はそれだけではない。
　以前から関東の要衝ではあったものの（さすがに何もない荒れ地じゃないですよ）、大きな川に挟まれ、大雨が降ればすぐに氾濫する湿地帯で、都のみの字もなかった江戸の地。
　家康は、川の流れを変え、水道を引き、江戸を世界的にも有数の巨大都市に成長させる基礎を築いた土木工事の人でもある。
　ちょうど発表された直木賞候補作、門井慶喜『家康、江戸を建てる』の世界である。古今、土木の難工事ものには傑作が多いけれど、これもやはり傑作だった。華々しい戦の物語ではないけれど、これもまたりっぱな歴史の王道である。オススメ。

■家康、江戸を建てる

　前回の『真田丸』には、北条滅亡とともに、家康が東海五カ国を返上、関東八カ国に移封されたシーンがあった。江戸の未開ぶりを嘆く家康と、沼田を与えられた真田昌幸の笑みが対照的に描かれて印象的だった。
　BSプレミアム『英雄たちの選択』が、まさしくこのテーマ「なぜ家康は江戸を選んだのか?」である。さすがNHK同士、うまい連携である。
　関東とてすべて荒れ野原ではない。内陸に入れば発展した町がある。港が欲しいにしても、小田原、鎌倉がある。
　なぜ、湿地帯が広がる一見町造りには向かない江戸を、あえて選んだのか。こういうテーマは好みである。

その他の番組

　BS-TBS『にっぽん！　歴史鑑定』は、「日本の警察はどのように生まれた？」。
維新期、治安が乱れる江戸の警備を命じられた薩摩藩士、川路利良の悪戦苦闘が軸になるようだ。
何にせよ、新しいものを作り上げる苦労は、並大抵ではない。

　BS日テレ『片岡愛之助の解明！歴史捜査』は北国街道に続いて、街道シリーズ第二弾「甲州街道」。
　こういう切り口も面白いが、北国街道の第二弾もぜひお願いしたい。まだ、長野県の一部しか紹介していないからね。

　BS11『尾上松也の古地図で謎解き！にっぽん探究』は、北条の繁栄の滅亡。
　全国的知名度は今ひとつだが、北条五代の歴史はかなり面白い。『真田丸』では戦国大名北条の存在感が実によく描かれていた。
　大河ドラマネタにもいいと思う。100年あるし、登場人物も世代交代していくので、なかなかにドラマティック。
　関東の戦国大名は一般にはなじみが薄いが、個性的な連中ぞろい。うまくキャラを掘り下げられれば、けっこういけるはず。

　BSジャパン『ミステリアス・ジャパン』は北海道を離れ南下。今回の部隊は遠野である。
　まだ行ったことのない土地なので、美しい映像を堪能させていただこう。

　『歴史秘話ヒストリア』はお休み。

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2016/6/25～7/1 歴史番組一覧