【歴史番組一覧　2017/1/7～2017/1/13】『おんな城主 直虎』のヒロイン直虎をもっと知りたい人のための週

野田城跡(静岡県)に立つ鳥居

井伊直虎とは何者か？

いよいよ8日より始まる大河ドラマ『おんな城主 直虎』。
　まだ見ていないので、なんとも言えないのだが、歴史番組では先週に引き続き「直虎」テーマの番組が続く。
　今回は、硬派の筆頭『英雄たちの選択』と間口の広さは現在放送番組一の『片岡愛之助の解明！歴史捜査』、独自の存在感を放つ『にっぽん！　歴史鑑定』の３番組。
　なんと『ねこねこ日本史』も「直虎」ネタらしいが、これは横にいったん置く。

　そもそも記録のほとんどない人物、どう切るかが番組の個性となる。
　サイトの紹介記事を比較してみよう。

　まず『英雄たちの選択』。題して「戦国の女（1）“おんな城主”の賭け～次郎法師の生き残り戦略～」。

　(前略)井伊家の危機は桶狭間の戦いに端を発する。臣従していた今川義元が織田信長に討ち取られ、まさかの敗北。井伊家の当主・直盛や多くの家臣も討ち死にしてしまう。以来家督を継ぐべき男たちが相次いで亡くなり、城主となった次郎法師。度重なる軍役で疲弊した領内を立て直そうとしていた矢先、今川家から徳政令施行の命令が届く。井伊家を取り潰す意図も見え隠れするこの命令に果たして従うか否か。おんな城主の決断に迫る。

　次に『片岡愛之助の解明！歴史捜査』。
　題して「謎のおんな城主　井伊直虎の真実を追え!」

大河ドラマの主役「井伊直虎」をいち早く徹底捜査!　存亡の危機にあった井伊家を如何にして救ったのか!?　次郎法師は女で直虎は男!?　その正体が今夜浮かび上がる!

　そして『にっぽん！　歴史鑑定』。
　題して「井伊直虎はなぜ女城主となったのか？」。

井伊直虎は男性の名前ですが、実は女性。
父は戦死、許婚は謀殺…一族滅亡の危機を救うべく、女ながら井伊家の当主となった直虎の生涯に迫ります。

　こうしてみると最も力の入っているのはさすがNHK、『英雄たちの選択』である。扱いが通常の歴史上の人物と同じ。タイトルも力が入っている。
　一方、民放はどちらも「謎」で切る。
　その点、けれんみたっぷりな『歴史捜査』のあおりはみごと。謎のたたみかけである。
　しかも、最近話題になった「直虎・男説」を採用するようだ。
　男説については、この記事がわかりやすい。

　産経WEST「おんな城主・井伊直虎、実は男だった！？京都の美術館が発表　ＮＨＫ来年の大河ドラマ主人公」

　史料的にどうなのか、という意見は『井伊直虎と謎の超名門「井伊家」』の著者、八幡 和郎氏のブログをご紹介。

　八幡 和郎「井伊直虎は男だったという新説を検証する」

　まとめると、「かもしれない」と読める史料が出てきた、という状況である。ひっくり返る、というほどではない。
　ドラマ、地元の浜松・彦根ほか、発表した井伊美術館、すべてのステイクホルダーにとって放送直前の盛り上がりはWinWinのはず。あとは番組のでき次第。みんなドキドキでしょう、きっと。

　ちなみに前回紹介した『歴史秘話ヒストリア』の紹介はこう。

大河ドラマ「おんな城主 直虎」がスタート。そもそも直虎ってどんな人？　なぜ女性なのに城主になったの？　…など素朴なギモンに答えてドラマをより楽しむための入門編。

　とても素直で、番組の性格をよく表している。大河ドラマの入門編、と言い切っているところも、役割がわかりやすくてよい。
　構造は『歴史捜査』と類似なのだが、筆致で印象が大きく変わる。文章の妙味です。
　何にせよ、盛り上がるのはよいこと。
　第一回放送が楽しみである。

その他の番組

　NHKで放送中の土用時代劇『忠臣蔵の恋』。まもなく第二部「大奥編」が始まるが、それに合わせて解説番組『もうひとつの忠臣蔵の恋』が放送される。
　ナビゲーターは武井咲と清水美沙。内容をサイトから引用する。

曜時代劇「忠臣蔵の恋」。ドラマで主人公“きよ”が愛した赤穂浪士、礒貝十郎左衛門とはどんな人物だったのか？きよを演じる武井咲が末裔を訪ね、実在の十郎左衛門の人物像に迫る。また、きよ自身も、６代将軍徳川家宣の側室、喜世（後の月光院）をモチーフにして描かれている。喜世が過ごした大奥とはどんな場所だったのか、どんな思いで過ごしていたのか等、ゆかりの地を訪ねながら、喜世の人生に思いをはせる。

　BSプレミアム『ザ・プレミアム　二条城～戦国から泰平へ』もよさそう。
　『真田丸』で石田三成役を務めた俳優山本耕史がガイド役となって二条城の謎に迫る、という切り口。
　サイトには「近年研究で、“戦う”ためではなく、天下人としての“権威を示す”城だったと裏付けられてきた。幻の天守、空前絶後のスピード建築。誰がどのようにこの城を建て、どんな仕掛けを込めたのか。」とある。面白そうだ。

　BS－TBSで放送される『夫婦梵鐘伝説をたずねて～京都と津軽の歴史ミステリー～』も注目だ。
　制作は青森放送。京都と津軽の歴史的なつながりを探る、というテーマで、あまり情報がないのだが(6日現在、BS-TBSホームページに紹介ページがない。青森放送にもない)、Yahoo！テレビの説明を読むと興味を引かれる（一覧表のURLはYahoo！テレビのもの）。

江戸時代から弘前藩津軽家屋敷が所在したことから、京都市内には、いまも津軽町という町名がある。京都から由来した夫婦（めおと）梵鐘（ぼんしょう）伝説の謎に迫る。

　一覧表のURLに跳んでもらうともっとくわしい説明が出て来る（説明しすぎなくらい）。不勉強にして聞いたことのないエピソードなので視聴予定。

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2017/1/7～1/13 歴史番組一覧