【歴史番組一覧　2017/4/22～2017/4/28】「マジック＝手品」4500年の歴史とあまり取り上げられない「水戸天狗党」の週

4500年の歴史?　マジックは文明とともに進化する！

　今週しょっぱなで紹介するのは歴史は歴史でも「手品＝マジック」の歴史。
　BSプレミアム『進化 人類の英知！マジック4500年の歴史』である。

『進化 人類の英知！マジック4500年の歴史』ページ

　番組サイトによると、マジックはエンターテインメントとして、文明の発達とともに進化してきた人類の英知のひとつと位置づける。
　確かに、大きな舞台はいらないし、小道具も最小限でいい。どこでもいつでも披露できるし、インパクトもでかい。考えてみるとこんな手軽なエンターテインメントもない。
　語り起こしは紀元前2500年のエジプトから。中世では魔女狩りの片棒を担いだ闇の時代、19世紀に現代につながるマジックの原型を作った「マジックの父」ロベール・ウーダンの紹介、江戸時代の手品「手妻」の発達など、なかなか盛り沢山の内容で、面白そうである。
　盛り沢山なのはよいが、番組内で究極に進化した現代のマジックまで披露されるということなので、マジックの歴史をたどる時間は短めなのかも。
　もともとは「驚かせたい」「驚きたい」という純粋な楽しみからスタートしたのだろうが、マジックには「騙す」という負の側面もある。長い歴史の中で、その技術が威力を発揮した局面はいくらでもあったろう。
　個人的にはそちらの方が見たいのだが。

その他の番組

　まずはBS-TBS『にっぽん！　歴史鑑定』から。
　テーマは「水戸天狗党」、「幕末の悲劇 水戸天狗党の乱」である。
　元治元年（1864年）、思想的には尊王攘夷運動の先頭を走っていた水戸藩士が、一向に攘夷を実行しようとしない幕府への不満を爆発させ筑波山で蜂起した事件である。
　幕末維新の歴史の中であまり語られることの少ない事件で、個人的には「ちょっと無視され過ぎるのではないの？」と不満だった。
　確かに、北関東近辺でグズグズしている間に京都を中心とした討幕運動から取りのこされ、自滅みたいな幕引きになってしまったが、諸国の志士たちに影響を与えたことは事実。一部は京を目指して中山道を西進し、福井あたりまでは行っていた。
　この事件で、水戸藩の若く優秀かつとんがった連中がほとんど死んだ。そのため、幕末維新の歴史の中で水戸藩の存在感は極めて薄くなってしまう。
　こいつらが生きて伸びていたら、もっと面白いことになってたんじゃないの？　と思わずにいられない。
　そういう点で個人的には大注目。

　BS-TBS『諸説あり!』は縄文時代編。ゲストは作家・夢枕獏。前回の黒鉄ヒロシといい、BSの歴史番組とは思えない豪華なゲストである。
　3回目までをながめてみると、テーマの選び方がちょっと面白い。1回目は「真田幸村」、2回目は「宮本武藏」、3回目は「縄文時代」である。歴史関連の新番組で3回目に「縄文」はまず来ない。
　引きの強いゲストを呼べるテーマを優先しているのかもしれない。この番組の個性になりつつある。来週は誰だろう。

　4回目を迎えたBS11『尾上松也の謎解き歴史ミステリー』。こちらのテーマは歴史番組がかならず通る道、「大奥」。
　タレント1人に専門家2人を加えたゲスト3人で、1対2の軽い論争状態にもっていく、という手法は悪くない。＋1が必ず素人のタレントなので、意見が異なってもフワーっとしている。けっこう楽しく見ております。
　しかし、せっかくの尾上松也がもったいなくて仕方ない。面白さのキモが尾上松也じゃなく、個性豊かなゲストのやりとりにあるのは企画通りなのか。
　前シリーズの『古地図』は、弟分の右近・隼人の上に君臨する兄さん尾上松也という大構造があってしっかりと存在感を出していた。けっこう現場に足を運んでいたし。
　現状の尾上右近はホントに司会。少なくともタレントのゲストはいらないんじゃないだろうか。
　ちなみにこの回のタレントゲストは、元宝塚男役の遼河はるひ。

　BSジャパン『ミステリアス・ジャパン』は横須加の猿島。旧日本軍の要塞だった小さな島である。
　昭和の特撮を愛好していた方には原体験のような場所。見慣れた景色がここにも、そこにも状態。

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