【歴史番組一覧　2016/2/22～28】２月下旬から３月と言えば"雪"と"桜"

2月下旬といれば二・ニ六だと思ったら

　２月の下旬の歴史といえば、1936年（昭和11年）二・二六事件。
　雪の積もる朝、帝都東京で陸軍の青年将校が中心になって起こした軍事クーデターである。
　複数の歴史番組の競作が楽しめるか、と期待していたのだが新作は『歴史秘話ヒストリア』だけ（『英雄たちの選択』は、二・二六事件前夜の高橋是清、というテーマ）。『片岡愛之助の解明！歴史捜査』でやってほしかった。
　『ヒストリア』のテーマは、岡田啓介総理。
　総理官邸にいた岡田総理は、300名とも言われる兵に急襲されるが、警護にあたっていた警察官が応戦している間に押し入れに隠れ、翌日、クーデター軍の包囲が続く中、無事脱出に成功している。
　反乱軍にとっては総理殺害は最優先目標だったろうからそれは必死・真剣だったろうが、兵の血が頭に上っていたことと、官邸スタッフの冷静な対処で、岡田総理はクーデターを生き延びる。、
　有名な事件だけれど、昭和史で資料もたくさんあるから新説と言っても地味だし、国内問題、対外問題に思想がくっついて説明がややこしいから、なかなか正面切っては取り上げにくいのかもしれない。同じ陸軍内で皇道派、統制派派に分かれ対立・暗闘を繰り返す様子は、登場人物は真剣になればなるほどけっこうさが増す悲喜劇を見ているようで面白いのだが。
　３月に入ったら、旧暦3月3日の事件「桜田門外の変」だよなー、と思っていたら、『片岡愛之助の歴史捜査』は１週間前だおしで桜田門外の変。
　春の訪れを前に暗殺がらみの事件が続く。命が生まれ変わる新しい季節の到来に、歴史の神は血なまぐさい生け贄をもとめるのか、とちょっとカッコつけてみる。

『中国王朝　よみがえる伝説』第２弾放送　ほか

　１月からスタートした、俳優濱田岳のレポートと作家浅田次郎の案内によるNHKプレミアムの新シリーズ『中国王朝　よみがえる伝説』の第２弾が放送される。テーマは、悪名も高いが明に最盛期をもたらした「永楽帝」と大航海で名高い宦官の「鄭和」。「永楽帝の権力の鍵は鄭和にあった」という切り口らしい。個人的にも興味のあるテーマなので楽しみ。
　『趣味どきっ！』第四弾はいよいよ安土。関東の土の城から石垣の城の出番。さすが教育番組、順当すぎるほど順当な流れである。
　案内役の千田嘉博奈良大学学長は、安土城より前に信長が石垣を築いた小牧山城発掘に関わる人。少しは出てくるかな。
　『にっぽん！　歴史鑑定』は、定期的に取り上げる江戸もの。今回は「大奥」。
　『とことん歴史紀行』は八代将軍徳川吉宗。出身地の紀伊をめぐる。
　『尾上松也の古地図で謎解き！にっぽん探究』は金沢。松也のかわいい弟分、尾上右近の回。当初は、彼の微妙な無表情かつレスポンスの悪さがけっこう気になったのだが、こちらが慣れてきたのもあるのか、最近はけっこうかいい味になってきた。前回の伏見稲荷と２週連続担当。これからもがんばっていただきたい。
『そして傑作が生まれた』は、青い目のサムライ、三浦按針ことウィリアム・アダムスである。家康に評価されて旗本にまでなったイングランド人である。その生涯は意外と知られていないので、興味深いテーマだと思う。
　『京都・国宝浪漫』は安倍晴明。国宝には興味ない、という人もちょっと気になる、これもいい題材。
　『歴史ミステリー　日本の城見聞記』は鉄板の現存12天守シリーズ中。今回は「石垣、桜、雪景色 絶景の城」と題して丸亀城、松山城、高知城、弘前城、丸岡城、宇和島城をめぐる。

スポンサーリンク

2016/2/29～3/6|歴史番組一覧