ちょっと興味を惹かれる記事を見つけた。
新・公民連携最前線の「人口増減率ランキング2015――全国TOP50・人口規模・都道府県別」という記事がそれだ。
人口増減率ランキング2015――全国TOP50・人口規模・都道府県別
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/PPP/042300038/051200003/
増減数ではなくて「率」という切り口なのが味噌である。小さな自治体でも、人口が伸びている自治体を「見える化」しようという意図。
確かに上位自治体の並びが面白い。
1位は、 鹿児島県三島村。薩摩半島南端から40kmほど南に行った島で人口375人。なんと、前年と比べて19人(!)増えたという。
なぜ増えたかまではわからないけれど、従業員375人の会社で19人中途が入ったとしたら、これは確かにインパクトが大きい。
2位は、一気に東に移動して東京都千代田区。2,713人で5%増。人口が約5万7000人で、三島村との差がありすぎである。
実に、175倍。ウルトラマンとチワワが肩を並べているようなものである。しかも1位がチワワで2位がウルトラマン。
現象的にはまったく異なる事例であろうが、絵的にもなかなか面白い。
1位の表彰台は40メートルの高さがある。ならば、両者は言葉通り肩を並べることができるわけだ。
3位は、福岡県新宮町。人口約3万の町で、1400人弱が増えている。これは、まっとうである。
wikiで調べて見ると、福岡市と隣接したベッドタウンで、1970年代からずーっと右肩上がりで人口が伸びている恵まれた町。特に、2010年に鉄道の駅が開通してから、利便性が上がってさらに伸びているようだ。
4位は、鹿児島県十島村。屋久島の南東に位置する島である。人口665人で、29人(!)増えた。
奄美諸島の島が、ベスト5に二つも入っているのは興味深い。
Googleマップのストリートビューを調べてみたら、しばし見入ってしまった。都会的な便利さはないかもしれないが、生活に必要なものは揃っているようだし、自然に恵まれた美しい場所である。
wikiによると、どちらの村も1970年代から右肩下がり。人口は減少し続けていた。
その人口減に歯止めがかかっている、ということである。
背景をちょっと突っ込んで調べてみたいと思った。
5位は、東京都中央区。人口約14万人で約5500人増えた。
600人から14万人である。その差、200倍以上。ウルトラマンとハムスターくらいか。このデコボコ感が実にいい。
実際、ベスト10の中に、人口3桁の村が4つ含まれている。
この調査結果の背景には、日本をとりまく様々な問題が隠れているのだろうが、専門家ではないので残念ながら追求できない。
なんでこの自治体が、と考えるだけで、1時間くらいすぐにたってしまう。
ちなみに5位までの自治体の人口を、身長の比で並べてみる。1位の三島村をウルトラマンとする。ちょっと適当だが、チワワ、ウルトラマン、ガンダム、チワワ、パピヨン(チワワよりちょっと大きい小型犬)、イデオン、となろうか。すごい景色だ。
通勤通学のお供にオススメの題材である。
増加「数」の記事もある。
同じサイトの「人口増減率ランキング2015――全国TOP50・人口規模・都道府県別」である。
こちらは、1位が東京都江東区、2位が東京都世田谷区、3位が東京都大田区、4位が東京都中央区、5位が東京都港区、6位にようやく東京を離れて埼玉県川口市、7位にまた東京に戻って杉並区。
まっとう過ぎて面白みに欠けるが、このまま少なくとも2020年まで東京の集中化が進むのか、と思うとちょっとクラクラしてしまう。