【歴史番組一覧　2016/2/8～14】板尾創路が演じる読書家・家康と『趣味どきっ!』武田の土の城

読書家・家康と武田の土の城が気になる週

　この週の目玉は、タレントの坂尾想路が読書家家康を演じるという『歴史秘話ヒストリア　ワシはこれで天下をとりました。～徳川家康の読書愛～』だろう。
　公式サイトからあらすじを引用する（改行は筆者）。

　家康はけっこうマニアックな性癖のある人で、有名なところでは「鷹狩りおたく」、「健康おたく」が講じて自ら調合する「薬おたく」、そして今回取り上げられる「本おたく」である。
　いつも、一ひねりした斬り方で推してくる『ヒストリア』であるが。今回は、タイトルからして、かなり力が入っている印象だ。楽しませていただきたい。
　個人的に大好物なのは『歴史ドキっ！　お城へ行こう』の第二回のテーマ『武田氏の城造り』。
　武田氏の城といえば”土の城”。”土の城”を真っ正面から取り上げてくれたのが実によろこばしい。
　天守や城壁がある城ばかりがもてはやされるが、今に残る城跡のほとんどは土を盛り、堀り、築き上げた”土”でできた城なのである。
　確かに、けっこうな歴史のある城でも、天守も城壁もないから確かに地味。草ぼうぼうのイメージもあって、一般の人たちには「へぇー、そんな城あるんだ」程度で終わってしまうことが多いが、これが実は胸熱の面白さなのである。
　すべてが実際のいくさを想定して作られた城ばかり。外からみるとただの山でも、足を踏み入れれば、武将や兵たちがどう守り、どう勝つかを真剣に考え工夫した当時の姿がリアルに浮かび上がってくる（若干、想像力はいるが）。
　「真田丸」も武田の城造り技術をさらに練り上げて作った”土の城”じゃないですか。
　上田合戦で大活躍する砥石城だって”土の城”。
　NHKさん、今年くらいは局を上げて全力で”土の城”を推してくれませんか。よろしくお願いします。
　今回番組で紹介されるのは、信玄の居館、躑躅ヶ崎館（つつじがさきやかた）と今の愛知県新城市にある平山城（平らな場所にニョキとある山の上に立てられた城）の古宮城（ふるみやじょう）。古宮城を選んでくるとはシブい。小ぶりの城だが遺構がかなり残っていて、山城紹介には絶好の場所。
　しっかりと”土の城”の魅力を届けてください。お願いします。
　同番組にはテキストが出ている。

■お城へ行こう! ―名将の素顔をお城が“語る" (NHK出版)

『日本の城見聞記』は”御殿”、『歴史捜査』はスペシャル

　土の城とか絶対に取り上げないと思われる『歴史ミステリー　日本の城見聞記』だが、今回は高知城・名古屋城・掛川城。
　城の名前を聞いて、えっ、何を見せるんだろう、と思ったら、テーマは「御殿」。視聴率は取りにくいかもしれないけど、これはよい切り口。
　私が勝手に「歴史四文字シリーズ」と呼んでいる４番組は下記のようなテーマ。どれもなかなか期待できそうな内容だ。
　　『歴史捜査』は、３時間スペシャル。
『城に秘められた謎を徹底捜査』と題して、姫路城、安土城、松本城、熊本城ほか、が取り上げられる。テーマとしては『歴史ミステリー　日本の城見聞記』の縄張り。どう捜査してくれるか注目。
　『歴史鑑定』は、壇ノ浦の合戦。
　なぜ「平家は敗れたのか」を最新科学を使って検証するという。最近『村上水軍の娘』を読了したので、瀬戸内海の潮の流れ等、ぜひ教えていただきたい。
　『歴史紀行』は、毛利家の名参謀、小早川隆景。舞台は広島。竹原市と広島市を中心にまわる模様。
　『歴史列伝』は、広岡浅子。『鑑定』と一週ずれ。「３つの鍵」をどこに持ってくるのか。
　江戸ネタが中心の『尾上松也の古地図で謎解き』のテーマは江戸の大火。BSプレの『大江戸炎上』は、保科正之、松平信綱コンビにスポットがあたっていたが、こちらは徳川吉宗が中心となるようだ。
　この番組、尾上松也の弟分の尾上右近が案内人になる回は、スタジオで松也とトークするシーンが入る。ここで二人は「にいさん」を連発するのだが、これが妙にこそばゆくて、最近は快感になってきた。この路線を突き進めてほしいと思う。

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