アントマン
とても楽しめた。
単に小さくなるだけのヒーローの映画が面白くなるのかね、となめていたが、見事に裏切られた。
「大きい/小さい」のウルトラセブン的変化ではなく、「大きくなったり小さくなったり」シームレスに繋がるアクションがとても楽しい(質量はどうなってるんだろ? 余計なことだが)。
個人的には『アベンジャーズ』ネタが強すぎるのはちょっともったいない印象。せっかく一本の映画としてよくできているのに。
でも、マイケル・ダグラス演じる科学者ピム博士とトニー・スタークとのからみはぜひ見てみたい。
■アントマン [blu-ray]
ピクセル
とてももったいない作品。
エイリアンが、80年代初期のゲームキャラで地球に勝負を挑む、という設定はおいしいし、映像的にはとても楽しい。
なのに、ゲームファンに対する偏見たっぷりで、小馬鹿にしたようなストーリー展開が映画のレベルを著しく下げたと思う。
まあ、最初に2戦はなんとか許そう。
だが、最終バトル。なんですか、あれは。キャラさえ出しとけばゲームファンは喜ぶと思ってるの。
うまくすりゃ、2010年代の『ゴーストバスターズ』になれたのに。こういうバカな設定は、大まじめにやらなきゃ。
■ピクセル (字幕版)
ファンタスティック・フォー
こりゃ酷評されるのわ。
同じ監督の『クロニクル』がとてもよかったので楽しみにしていたのだが、みごとに裏切られた。
暗い、という意見はあるが、私はそこは悪くないと思った。なぜみんな暗いのかはよくわからないが、青春はそもそも暗いもの。
問題は、あらすじを読まされているような、紙芝居の途中の何枚かが抜け落ちちゃったような、不可解ストーリーだ。
これ、絶対もとの脚本と違うでしょう。主人公側も敵も、内面がぜんぜん書けていない。
監督と制作側、俳優とももめていたらしいから、勝手に編集されちゃったのか。
■ファンタスティック・フォー [DVD]
日本のいちばん長い日
私は、前回の映画化作品である岡本喜八の『日本のいちばん長い日』(1967年)がとても好きである。昭和のある時期は、終戦の日前後には必ずテレビで放送されていた。全編に言葉にならない怒りのようなものがあふれていて、幼心にこんなことが実際にあったのか、とビビっていた。
今回の映画化は、前回の映画化で描かれなかった昭和天皇の言動に軸が置かれている。
だから、そこに怒りはない。むしろ、寂寥感が漂う。
青少将公の反乱も描かれているが、どこか淋しい。
リメイクではなくまったく違う映画だと見るべし。力作だと思う。
■日本のいちばん長い日 [DVD]
天空の蜂
楽しめた。和製パニックアクションの傑作だと思う。
確かに、突っ込みどころはいくらでも見つかるだろう。
だが、ここまで社会性の強いテーマとアクションを融合させて一級のエンターテインメントを作ろうという、監督やスタッフの強い意気込みが画面から伝わってくる。
緊張が途切れるシーンがほとんどないのだ。やや不自然なところはあるが、私はおおいに評価する。
堤監督の頭の中には、佐藤純也監督の傑作『新幹線大爆破』があったのではないだろうか? オマージュのようなシーンがところどころにあったような気がする。今度、見比べてみたい。
■天空の蜂 [DVD]